「ザ・タウン」
タイトル和訳したら、「街」www。めっちゃ素っ気無いタイトルですw。
ですが、内容はかなりのハードボイルドな映画だったりします;;。
舞台は、ボストン北東部にある「チャールズ・タウン」というところらしいですが、いわゆる下町な、
しかも「スラムタウン」と言うべき街が舞台。
でもそういった固有名はほとんどどうでもいい感じ。
アメリカと言わず、世界中のどこにでもこういう貧しく荒れ果てた、「正しく生きる」という事自体が困難で、
心がすさぶ、時に犯罪・暴力・売春、果ては薬物とかすらもあり得る環境で、そしてその中で最低限の生活を
送らざるを得ない人々がいて、そこから抜け出す事を夢見て、それができない事に絶望しながら生きていく。
そんな、ごくありふれた、どこの国でもどこにでもある、そんな街が舞台の作品でした。
ですが、そんな今まででもありふれた設定の、何度も描かれてきた下町の悲哀モノの映画でありながら、
その生々しい程の現実感を持って訴えてくる世界観が、とっても素晴らしいっ!!
監督・主演が"次のクリント・イーストウッド"と絶賛される、人気俳優のベン・アフレックなのですが、
彼そのものというよりも、全ての俳優陣が織り成す、その街での人間模様があまりにも全て切なく儚く、そしてリアル。
演じられる事件・友情・恋愛・因縁・希望・絶望の、その全てが。
その、どうしようもないしがらみや、やるせない想いや。
その中ででも生きていかないといけないという執念や。
そして、いずれはいつかは・・・と願いながら足掻いていく様は、とても身近でとても共感できるモノでした。
なぜなのだろう…と考えると、ここに描かれている物語は、本当にどこにでもある、ありふれた光景だったから。
という事に気づかされました。
事の質や、規模の大小の差はあれど、その犯罪の大きさという違いはあるにせよ。
その登場人物たちの矮小さも、しかしその雄々しさも全て。
その光景はどこの街にでも起こっている出来事なのだ、という事が共感していた理由だったのだなぁ。
と思い至りました。
その事を改めて気づかせてくれた事だけでも、観るべき価値のある一本だと思います。
とる犯罪都市の、しかし実は身近な町の風景を描いた快作です。
是非、ご覧になってください(^^)。
ではではー^^)/。
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